エピソードを知る
episode.01
現社長の新開含め8人のメンバーが入社したのは、まだノアデザインが創業して間もないころ。当時のオフィスは室内に蔦が絡まる日本家屋風のボロ屋敷。そんなノアデザインに転機となる大仕事がやってきて……。
前社長は最後まで「古民家オフィス」だと言い張っていたけれど、当時のノアデザインの事務所は誰がどう見てもボロ屋でした。床の間には蔦が絡まり、梁・柱も斜めになっている。「建築に関わる会社の事務所がこんなところでいいのか」と思わず突っ込みたくなるような潰れかけの物件でしたが、そんなところにオフィスを構えざるを得なかった。創業期のノアデザインにはそれだけ資金がありませんでした。
前会社から8人が合流してすぐ大仕事が舞い込みました。ある大手携帯キャリアがプラチナバンドの割り当てを受け、九州に1000本近い電波塔を建てる一大事業がスタートし、その申請書類に使う地図や申請図面の作成、業務のマネジメント補佐を任されたんです。一つ一つは大した仕事じゃないけれど、1000件分の図面と書類を短納期でまとめる必要がある。同業他社からは「面倒くさい仕事を押し付けられてかわいそうに」なんて思われていたようですが、私たちにとっては渡りに船のありがたい仕事でした。
確かに大変な仕事でしたし、最初は徹夜つづきでした。でも、業務をルーティン化して効率よく回していったら一週間で何百万円という利益が出始めたんです。「この調子で成長をつづけたら飛行機くらい買えるんじゃね?」。調子に乗ってプライベートジェットについて調べてみたら、年間維持費だけで2億円。「こりゃ無理だね」とプライベートジェットは潔く諦めましたが、この仕事で出た利益を使って、今の事務所が入っているオフィスビルに引っ越すことができたのでした。